2025/12/03

インビザラインは1クールで終わる?治療前に比べてどのぐらい変化があるのかを解説

三ツ境駅前スマイル歯科 院長 樋田 秀一

この記事を執筆した人:
三ツ境駅前スマイル歯科 院長 樋田秀一
院長の樋田は、インビザラインをはじめとしたマウスピース矯正に豊富な知識と経験を持つ歯科医師です。昭和大学歯学部卒業後、床矯正・ブラケット矯正・MEAWなど多領域の矯正理論を学び、2019年にインビザライン認定を取得。iTeroによる三次元解析を用いた精密診断と、咬合・骨格を統合的に評価する治療設計に定評があります。
所属学会は、日本小児矯正研究会(指導医)・国際歯周内科学研究会(指導医・理事)など多岐にわたり、科学的根拠に基づく臨床を重視。成長期の顎発育から成人の審美矯正までカバーし、専門性と信頼性の高い医療情報の発信にも取り組んでいます。

インビザライン治療は、複数枚のマウスピースを段階的に交換しながら歯並びを整えていきますが、1クールだけで治療が完了するのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。今回は、インビザラインでの治療は1クールで終わるのか、歯の動きや治療の進み方について詳しく解説します。

インビザラインは1クールで終わる?

インビザライン治療において、「1クールで終了するのか」は多くの方が気になるポイントだと思います。結論から言うと、基本的にインビザラインは1クールだけで治療が完了することはほとんどありません。

1クールとは、最初の治療計画で作成されたマウスピースの一連のセットを指し、このセットで治療計画に沿って段階的に歯を動かしていきます。しかし、多くのケースで再スキャンや新たな治療計画を立てて、2クール目、3クール目のマウスピースを使う必要が出てくるのが実情です。

1クールで終わらない理由としては、歯の動きは個人差が大きく、計画通りに動かないことも多いからです。歯の骨の硬さや噛み合わせの状態、患者様の年齢や生活習慣など、さまざまな要因が影響し、計画どおりに歯が動かないことがあります。

そのため、治療途中での微調整や計画の修正が必要となり、追加のマウスピースを製作して治療を続けることが一般的です。さらに、インビザラインは段階的に歯を動かす矯正方法のため、複雑な症例や重度の不正咬合を改善するには1クールで対応しきれないケースがほとんどです。

しかしながら、1クールの治療期間であっても、見た目には大きな変化が現れることが多いです。特に歯並びの乱れが軽度から中度の場合、治療開始から3ヶ月~半年程度で明らかに歯が動き、整ってきたと実感できることが多いです。

この変化は患者様のモチベーション維持にもつながります。クリニックでの定期チェック時には、歯の動きを3Dシミュレーション(クリンチェック)で確認できるため、自分の歯がどう動いているのかを目で見て理解できます。

また、年齢が若く、かつ軽度の叢生(歯のがたつき)の場合などは、比較的スムーズに治療が進み、1クールで終了するケースもあります。若年層は骨の柔軟性が高く、歯の移動がしやすいため、計画通りに治療が進む可能性が高いのです。しかし、これはあくまで少数派のケースであり、成人や重度の症例では複数クールにわたる治療が一般的です。

インビザラインの1クールあたりのマウスピースの枚数は?

インビザラインの1クールあたりのマウスピースの枚数は、治療プランや歯並びの状態によって異なります。一般的に、1クールは20枚から30枚程度のマウスピースで構成されることが多いですが、軽度の矯正向けの「インビザライン・ライト」では最大14枚までと制限されています。

一方、より複雑な症例には「インビザライン・コンプリヘンシブ」が用いられるケースは1クールで30枚以上のアライナーが処方されることもあります。マウスピースは通常、1~2週間ごとに交換しながら歯を少しずつ動かしていくため、1クールの期間は数ヶ月〜1年にわたるケースが多いです。

インビザラインの治療期間は平均どれくらい?

インビザラインの治療期間は、患者様の歯並びの状態やゴールの設定によって大きく異なりますが、平均的には1〜2年程度が一般的とされています。軽度の歯列不正(前歯のすき間やわずかなガタつきなど)の場合は、6ヶ月〜1年程度で完了するケースもあります。

一方で、歯のがたつきや出っ歯、受け口などの中等度〜重度の歯並びの乱れがある場合は、2〜3年程度かかることもあります。抜歯が必要な場合や、上下顎の大きなズレを伴う場合には2年以上かかることも珍しくありません。

最初の1クールで完了しない場合、追加アライナーが必要になり、結果的に治療期間が延びることもあります。また、歯並びや噛み合わせの状態だけでなく、患者様の協力度も治療期間に大きく影響します。

インビザライン矯正の平均期間についてはこちらもご覧ください。

インビザラインの治療期間を短縮する方法

インビザラインでは治療が計画より長引くケースも少なくありません。インビザライン治療をできるだけ早く進めるための方法について、5つのポイントをご説明します。

マウスピースを1日22時間以上装着する

インビザラインの治療効果を最大限に引き出すためには、1日22時間以上の装着が必須です。アライナーは継続的に弱い力をかけて歯を動かす設計になっているため、長時間の装着が最も効果的です。そのため、食事や歯磨き以外の時間は基本的に常にマウスピースを装着しておく必要があります。装着時間が不足すると歯が計画通りに動かず、治療が遅れる原因になります。スマホのリマインダーやアラーム機能を活用して、装着管理を行いましょう。

マウスピースの交換期間を守る

インビザラインでは、通常1〜2週間ごとにマウスピースを次の段階に交換します。この交換期間は歯科医師が作成した治療計画に基づいており、計画より早すぎたり遅すぎたりすると歯の動きに影響がでます。

例えば、歯が予定通りに動いていないのに無理に次のマウスピースに進んでしまうと、アライナーが合わなくなり、治療のやり直しが必要になることもあります。逆に、問題がないにもかかわらず交換が遅れると、その分だけ治療期間が延びてしまいます。歯科医師の指示に基づいた交換期間を遵守しましょう。

チューイーを正しく噛む

「チューイー」とは、マウスピースをしっかりと歯にフィットさせるためのシリコン製チューブです。チューイーを活用することで、アライナーと歯の密着度が上がり、歯の移動がスムーズになります。特に、新しいアライナーに交換した直後は、フィット感が甘くなりやすいため、1日数回、5〜10分程度噛むことが推奨されます。チューイーを怠ると、アライナーの浮きが生じ、結果として歯が計画通りに動かなくなる可能性があるため、治療期間が長期化しないためにも習慣づけが大切です。

口腔ケアは念入りに行う

インビザライン矯正中は、むし歯や歯周病になってしまうと治療が一時中断される可能性があります。治療中断は治療期間の延長につながるため、口腔内の清潔を保つことが結果的に治療を早めることにもなります。食後は必ず歯磨きを行い、マウスピースにも汚れが残らないように毎日丁寧に洗浄しましょう。また、アライナーを装着したままの飲食や、食後に口腔ケアを行わずにアライナーを装着すると、むし歯や歯周病のリスクが高まるため、注意が必要です。

通院頻度を守る

インビザラインでは、通常2~3ヶ月に1回の通院が必要です。治療の進行状況やアライナーに不具合がないかを確認し、必要であれば治療計画の見直しなどが行われます。通院を怠ると、問題の早期発見ができず、必要な調整が遅れてしまうことで治療が長引く可能性があります。また、歯の動きに微調整が必要な場合は、再スキャン(リファインメント)を行うこともあります。これらを適切なタイミングで行うためにも、通院のスケジュールをきちんと守るように心がけましょう。

インビザライン治療を早く終わらせたいと考えている方は、横浜市瀬谷区の「三ツ境駅前スマイル歯科」にご相談ください

インビザラインの治療の変化不安のある方は、横浜市瀬谷区の「三ツ境駅前スマイル歯科」にご相談ください

今回はインビザラインが1クールで終わるのかについて詳しく解説しました。インビザラインによる治療では基本的に1クールで終わることはありません。しかし、例外として軽度の叢生や年齢が若く歯が動きやすいケースでは、1クールで治療が終了することがあります。

また、1クールで治療自体が終了しなくても、治療期間中に目に見える変化を実感できます。インビザラインで治療期間を短くするためのポイントは、装置の正しい装着と通院頻度や口腔ケアを徹底することです。

三ツ境駅前スマイル歯科では、矯正治療のほかに、定期検診やクリーニング、むし歯治療などの一般歯科も行っております。お口をトータルサポートすることで、最後まで安心して矯正治療を行っていただけます。またオプションで加速装置を選択することもできます。

インビザラインでの治療期間に不安のある方はぜひ、三ツ境駅前スマイル歯科にご相談ください。LINEでの新規矯正相談予約も承っております。

※ご相談は横浜近隣にお住まいの方限定となります

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