2026/09/16

インビザラインのボタンとは何?種類や目的、付ける期間を網羅して解説

インビザライン治療では、症例によって「ボタン」と呼ばれる小さな補助装置を使用することがあります。

しかし、「何のために付けるの?」「痛みや見た目への影響はある?」と疑問や不安を感じる方も多いでしょう。

ボタンは、ゴムかけ(エラスティック)を行い、歯の移動や噛み合わせの改善をサポートするための重要な装置です。必要な期間だけ装着するため、過度に心配する必要はありません。

今回は、インビザラインのボタンの役割や装着期間、必要となるケース、注意点についてわかりやすく解説します。

インビザラインのリンガルボタンとは 

リンガルボタンとは、インビザライン治療でゴムかけ(エラスティック)を行う際に使用する、小さなボタン上の補助器具です。

歯の表面または裏側に歯科用接着剤で装着し、ゴムを引っかけることで歯に適切な力を加え、噛み合わせの調整や歯の移動をサポートします。

見た目は直径数mm程度と小さく、歯の色に馴染みやすい樹脂製や金属製のものが使用されます。症例に応じて装着する位置や個数は異なり、必要な期間のみ使用するため、インビザライン治療をより計画どおりに進めるための重要な補助装置といえます。

インビザラインにリンガルボタンを付けて顎間ゴムをかける目的

インビザラインでは、マウスピースだけでは十分な力をかけにくい歯の動きや噛み合わせの調整が必要な場合に、リンガルボタンと顎間ゴム(エラスティック)を併用することがあります。

ここでは、リンガルボタンを付けて顎間ゴムを使用する主な目的について説明します。

前歯を後ろに引っ張る

リンガルボタンは、前歯の突出感を改善したい症例で使用されることがあります。

例えば、歯槽性の出っ歯では、顎間ゴムを併用することで前歯を後方へ移動させる力を補助し、口元の突出感を改善しやすくなります。マウスピースだけでは難しい歯の動きも、顎間ゴムを組み合わせることで効率よくコントロールできる場合があります。

歯の高さを整える

リンガルボタンと顎間ゴムは、歯の高さ(提出・圧下)の調整にも使用されます。

歯の高さにばらつきがあると、噛み合わせが不安定になったり、見た目のバランスが崩れたりすることがあります。顎間ゴムを適切な方向へかけることで、必要に応じて歯をわずかに引き上げたり押し下げたりしながら、高さを整えていきます。

このような細かな調整を行うことで、噛み合わせの安定だけでなく、歯並び全体の仕上がりもより自然で美しくなります。

歯を適切な方向へ動かす

インビザラインでは、歯を前後・左右・回転等さまざまな方向へ移動させますが、症例によってマウスピースだけでは十分な力を加えられないことがあります。

そのような場合にリンガルボタンと顎間ゴムを併用すると、歯へ補助的な力を加えられるため、計画どおりの方向へ歯を動かしやすくなります。

特に歯を大きく移動させる症例や、歯の傾きを細かく調整する必要がある症例では、顎間ゴムが治療をサポートする重要な役割を担います。

噛み合わせのズレを治す

リンガルボタンを使用する最も大きな目的の一つが、上下の噛み合わせを改善することです。

例えば、上顎前突(出っ歯)や反対咬合(受け口)、交叉咬合等では、上下の歯の位置関係を調整する必要があります。顎間ゴムによって上下の歯へ適切な力を加えることで、噛み合わせのズレを少しずつ改善していきます。

噛み合わせが整うことで、見た目の改善だけでなく、特定の歯へ過度な負担が集中することも防ぎやすくなります。また、治療後の歯並びを長期的に安定させるためにも、噛み合わせを整えることは非常に重要です。

歯の移動をサポートし、反作用をコントロールする

顎間ゴムの重要な役割の一つが、歯を動かす際に生じる「反作用」を考慮しながら歯の移動をサポートすることです。矯正治療では、ある歯を特定の方向へ動かそうとすると、それとは反対方向への力が別の歯に加わることがあります。これを「反作用」といいます。

例えば、インビザラインで下顎大臼歯を後方へ移動させる「遠心移動」を行う治療計画では、大臼歯を後方へ動かす力に対する反作用として、下顎前歯に唇側(前方)へ移動する力が生じることがあります。

下顎前歯が必要以上に唇側へ移動・傾斜すると、前歯部の歯周組織の状態などによっては、歯肉退縮のリスクを高める可能性があります。

このような反作用をコントロールする方法の一つとして、症例によっては、上顎犬歯付近のマウスピースに「プレシジョンカット」と呼ばれる切れ込みを設け、下顎大臼歯部にはボタンカットを設けてリンガルボタンを装着し、上下の間に「Ⅱ級ゴム(2級ゴム)」をかけて使用します。

Ⅱ級ゴムを適切に活用することで、下顎大臼歯の遠心移動をサポートしながら、反作用による下顎前歯の過度な唇側移動を抑えることが期待できます。その結果、下顎前歯の位置をコントロールし、歯肉退縮のリスクにも配慮しながら治療を進めることにつながります。

ただし、顎間ゴムは強くかけたり、多用したりすれば良いというものではありません。顎間ゴムによって上下の歯や顎に継続的な力が加わるため、使用方法や症例によっては顎関節や咀嚼筋への負担なども考慮する必要があります。

顎関節に症状がある患者様では、状態を確認しながら慎重に使用することが重要です。

そのため、歯の移動量や方向、顎間ゴムの強さ、使用時間、顎関節の状態などを総合的に評価し、症例に応じた適切な力のコントロールと綿密な治療計画を立てる必要があります。

▶インビザラインのゴムかけについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

インビザラインで付けるリンガルボタンの種類 

インビザライン治療で使用するリンガルボタンにはいくつかの種類があり、症例や治療目的に応じて使い分けられます。どのリンガルボタンも顎間ゴム(エラスティック)を装着するための補助装置ですが、素材や形状によって特徴が異なります。

ここでは、代表的なリンガルボタンの種類について説明します。

金属製のリンガルボタン

金属製のリンガルボタンは、ステンレス等の金属で作られた最も一般的なタイプです。

耐久性に優れており、顎間ゴムの力が継続的にかかる場合でも破損しにくいことが特徴です。また、ゴムをしっかり固定できるため、歯を大きく動かす必要がある症例や、比較的強い力を加える必要があるケースで使用されることがあります。

一方で、歯の表面に装着した場合は金属部分が見えるため、口元の状態によっては目立つことがあります。ただし、サイズは数mm程度と非常に小さく、日常生活で大きく目立つことは多くありません。

プラスチック製のリンガルボタン

プラスチック製のリンガルボタンは、歯の色に馴染みやすい樹脂素材で作られています。

金属製と比べて目立ちにくいため、見た目をできるだけ気にせず治療を進めたい方に適しています。接客業や営業職など、人前で話す機会が多い方にも選択されることがあります。

また、表面が比較的滑らかなため、お口の中で頬や唇に当たった際の違和感が少ない傾向があります。

ただし、金属製に比べると耐久性はやや劣るため、症例によっては使用できない場合があります。どの素材を使用するかは、見た目だけではなく治療に必要な力や期間も考慮した上で歯科医師が判断します。

フック付きのリンガルボタン

フック付きのリンガルボタンは、顎間ゴムをより確実に引っかけられるよう、小さなフック状の突起がついたタイプです。

ゴムが外れにくく、一定方向へ安定した力を加えやすいため、上下の嚙み合わせを大きく調整する症例や、複雑な歯の移動が必要なケースで使用されることがあります。

また、治療計画によっては、リンガルボタンではなく、インビザラインのマウスピース自体に設けられたフックへ顎間ゴムを装着する場合もあります。どの方法を選択するかは、歯の移動方向や噛み合わせの状態、治療の進行状況などによって異なります。

インビザラインのリンガルボタンを付ける期間 

リンガルボタンは、すべてのインビザライン治療で使用される装置ではありません。顎間ゴム(エラスティック)を用いて噛み合わせや歯の移動を補助する必要がある場合に、一時的に装着されます。

装着するタイミングや使用期間は、歯並びや噛み合わせの状態、治療計画によって異なります。ここでは、リンガルボタンを付ける時期やタイミング、装着期間の目安について説明します。

付ける時期・タイミング

リンガルボタンは、多くの場合、治療開始と同時、または治療開始から数ヶ月後に装着されます。

例えば、出っ歯や受け口、噛み合わせのズレ等を改善するために顎間ゴムが必要と判断された場合は、治療初期からリンガルボタンを装着することがあります。

一方で、歯並びをある程度整えてから噛み合わせの調整を行う治療計画では中盤以降に装着するケースもあります。

リンガルボタンの装着は、歯の表面を清掃した後、専用の接着剤で歯に固定して行います。処置自体は比較的短時間で終了し、一般的には10〜20分程度が目安です。本数が多い場合や装着の調整が必要な場合は、もう少し時間がかかることもあります。

装着後は、その場で顎間ゴムのかけ方や交換方法、装着時間などについて説明を受けます。患者様自身が毎日正しくゴムを装着することが、計画どおりに治療を進めるための重要なポイントです。

外す時期・タイミング

リンガルボタンは、必要な歯の移動や噛み合わせの改善が完了した時点で取り外します。

顎間ゴムによる調整が終了すると、その後はマウスピースのみで治療を継続できる場合が多く、治療完了までリンガルボタンを付けたままにするとは限りません。治療計画によっては一度外した後に再び装着するケースもありますが、一時的な使用となる場合が多いです。

取り外す際は、専用の器具を用いてリンガルボタンを外し、歯に残った接着剤を丁寧に除去します。

処置時間は5~15分程度が一般的で、歯を削ることはほとんどありません。取り外した後は、歯面を磨き、必要に応じてマウスピースの適合状態や噛み合わせを確認しながら治療を継続します。

平均的な使用期間

リンガルボタンの使用期間は症例によって異なりますが、一般的には数ヶ月から半年程度使用することが多く、必要に応じてさらに長期間装着する場合もあります。

使用期間は、顎間ゴムによってどの程度の歯の移動や噛み合わせの調整が必要かによって決まるため、「〇か月で必ず外せる」といった決まりはありません。また、患者様が顎間ゴムの装着時間を守れているかどうかも、使用期間に影響します。

顎間ゴムは、マウスピースの装着時間と同様に、1日20~22時間程度の装着が推奨されています。装着時間が不足すると、歯が計画どおりに動かず、リンガルボタンの使用期間が延びる可能性があります。

そのため、リンガルボタンを計画どおりの期間で外すためには、歯科医師の指示通りに毎日決められた時間装着し、定期的に通院して歯の動きや噛み合わせの状態を確認しながら治療を進めることが大切です。

インビザラインのリンガルボタンに関するトラブル例と対処法 

リンガルボタンは比較的小さな装置ですが、治療中には外れたり、違和感や痛みを感じたりすることがあります。こうしたトラブルが起きても、自己判断で対応すると治療計画に影響を及ぼす可能性があります。

ここでは、リンガルボタン装着中によくあるトラブルと、その対処法について説明します。

リンガルボタンが取れた

リンガルボタンは歯科用接着剤で固定されていますが、硬い食べ物を噛んだり、強い力が加わったりすることで外れることがあります。

リンガルボタンが外れたまま顎間ゴムを装着できない状態が続くと、歯が計画どおりに動かず、治療期間が延びる可能性があります。

そのため、外れたことに気づいたら自己判断で使用を続けず、できるだけ早く歯科医院へ連絡しましょう。また、外れたリンガルボタンを誤って飲み込まないように注意し、保管できる場合は受診時に持参すると良いでしょう。

リンガルボタンが頬や唇に当たって痛みを感じる

装着直後は、リンガルボタンが頬や唇にあたり、違和感や軽い痛み等を感じることがあります。多くの場合は数日から1週間程度でお口の中が慣れ、症状が軽減していきます。

しかし、強い痛みが続く場合や、口内炎ができて食事や会話に支障が出る場合は、無理に我慢せず歯科医院へ相談してください。

必要に応じて装置の位置を調整したり、保護用ワックスを使用したりすることで症状が改善することがあります。

痛みや違和感があるからといって自己判断でリンガルボタンや顎間ゴムの使用を中止すると、治療計画に影響するおそれがあるため、歯科医師の指示に従って対応することが必要です。

インビザラインに関して不安がある方は、横浜市瀬谷区の「三ツ境駅前スマイル歯科」にご相談ください 

インビザライン治療では、リンガルボタンや顎間ゴムを使用することで、より精密な歯の移動や嚙み合わせの改善が期待できます。

装着時期のタイミングや使用期間は症例によって異なりますが、一時的に使用するケースが多いでしょう。痛みや違和感が強い場合は、自己判断で中止するのではなく、早めに歯科医院へ相談することで、治療期間の延長を防ぐことができます。

三ツ境駅前スマイル歯科では、患者様一人ひとりのお口の状態を丁寧に診査・診断し、お悩みやご要望に合わせた治療計画をご提案します。

また、当院では無料の矯正相談を実施しており、新規の矯正相談は公式LINEからご予約いただけます。

来院が難しい方には、オンラインでのご相談にも対応しています。「インビザラインが自分に合っているのか知りたい」「まずは話だけでも聞いてみたい」という方も、是非お気軽にご相談ください。

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